SF・ホラー・ファンタジー 

×ゲーム
×ゲーム
幻冬舎
price : ¥1,155
release : 2004/08

小さくまとまって、内容は大雑把

今まで読んだ山田悠介さんの小説は、「リアル鬼ごっこ」「パズル」に続き、
この「×ゲーム」が3作目なんですが、正直、今までで1番見劣りする作品でした。

あらすじは、ある晩、小学校の同窓会がありました。
そこに出席した、「小久保英明」。
そして同窓会が終わったあくる日、友人の一人から電話があります。
彼がいうには、昨日同窓会で会った担任の先生が、殺されたというのです。
そこから、次々と不可解で統一的な事件が起きていき・・・・・・というものです。

日本語の乱れは無視するとして、
内容が小さくまとまっているのが残念でなりません。
「リアル〜」「パズル」双方、出来は別として、
山田さんの発想力を生かした壮大なスケールで大きく描かれていました。
でも今回の「×ゲーム」はどうか。
彼の持ち味である設定の奇抜さもなく、大きなスケールもなく、
何の救いも用意されなかった、ただの狂気の物語に成り下がっています。
小さくまとめるなら、もっと濃密に物語を組み立ててほしかったです。

私は本書を図書館で借りたので、後悔はしていませんが、
もしこれを買っていたなら・・・・・・
衝動買いしないことをおすすめします。

僕たちの戦争
僕たちの戦争
双葉社
price : ¥1,995
release : 2004/08

すごくよかった。

大分前に読んだのですが、何度も頭の中で彷彿するので、皆の評価はどうだろうと思いこのサイトを見てみました。
どちらかというと若者向けなのかもしれません。
2番目の方の評価が低かったのは世代が違うからだと思われます。(学生運動が盛んな頃の世代では…?)

最後の最後でその後どうなったのか…。それを考えるともう眠れません。(寝ていますが…)
読んだ後も長く考えさせられる作品だと思います。
まだ読んでいない方がいらっしゃったら是非読んでみてください。

護樹騎士団物語 螺旋の騎士よ起て!    トクマ・ノベルズ
護樹騎士団物語 螺旋の騎士よ起て! トクマ・ノベルズ
徳間書店
price : ¥900
release : 2005/04/16

今後が楽しみな作品の一つです。

ファンタジー系の人型兵器の作品を探していて出会いました。
今のところ出てくる騎士型メカは聖刻とルーンマスカーを
それぞれ足して割ったような気がします。
メカは守護騎といってデザインはアニメーターの武半慎吾氏、
文章もこなれていて、新人さんではないと思ったところ、
朝日ソノラマなどでご活躍の
夏見正隆氏の別名義だということを知りました。
次巻が楽しみな話です。
騎士型メカが好きな人なら買いの一冊だと思います。
上と外〈2〉緑の底
上と外〈2〉緑の底
幻冬舎
price : ¥440
release : 2000/10

ぐいぐいという感じですね。

  「一流のひとは、道具や対象に向かった時に適度な距離感がある。
  人間は、誰かと話すときにある程度の距離を置く。
  その距離を越えて近くに踏み込まれると、なれなれしいと感じたり
  圧迫感を覚えたりする。
  逆に、それよりも遠くなるとよそよそしいとか他人行儀だと感じたりする。

  道具やモノにも、それぞれ固有の縄張りのような空間があり、その道具に
  対する技能が習熟していないひとは、近寄りすぎてその道具の持つ縄張り
  に侵入してしまっているのだ。
  楽器のうまい人を想像すればわかり易いだろう。
  ギターでもピアノでも、上手なひとは楽器にかぶりついたりはしない。

  ほどほどの距離を置き、楽器全体をふわりと包み込んでいるように見える。
  楽器の持つ縄張りに引きずり込まれずに、自分の縄張りと調和させている。
  おのれの技能を客観視することができると言ってもいいだろう。
  職人もそうだ。
  道具とほどよい距離を置き、自分の技能を客観的にコントロールする。

  抑制された、コンスタントな緊張感を保ちつつリラックスする。」

  第1巻と同じく150ページくらいなので読みやすい。
  どんどん深くなっているのではまっていきます。
  私は1時間半かかりました。

タフの方舟1 禍つ星 ハヤカワ文庫SF
タフの方舟1 禍つ星 ハヤカワ文庫SF
早川書房
price : ¥882
release : 2005/04/21

とてもユニークな主人公

 ポンコツ宇宙商船の船長であるハヴィランド・タフは、馬鹿正直で人畜無害、猫好き、菜食主義で美食家の大男。どういうわけか戦略ゲームにはやたらと強いのだが、この半年ほどは仕事にあぶれて立ち往生している。

 この大変ユニークな主人公は、ある強欲な5人に雇われてある謎の星系に向かい、ついに全長30kmもの伝説の<方舟>号、つまり、千年前、古代の地球地球連邦帝国環境工学兵団が持っていた生物戦争用の胚種船を発見する。
 なんとか侵入に成功した6人だが、防御システムが作動し、致死性の病原菌や、"襟巻きドラキュラ"、"地獄の仔猫"、"歩く蜘蛛の巣"などの恐ろしい生物兵器が目覚める・・・。

 この登場する生物のネーミングが大変おもしろい。途中をすっ飛ばすと、「タフの方舟」の題名のとおり、<方舟>号はどういうわけかタフのものとなり、環境エンジニアとしての商売を始める。いろんな困難な事情を持った惑星を訪問し、そこに適した生物を胚種して問題を解決し、報酬を売るという商売。

 それぞれのエピソードがまた面白いのだが、なかでも、最初に訪れた惑星ス=ウスラム(人口390億人)。この星は生命礼賛の宗教のもと高い出生率の一方、何世紀も前に他の星系に進出することを封じられ、大飢饉まであと27標準年、かつ、産児制限は不可能。

 タフは<方舟>号の修理・改造費の長期ローンと引き換えに、この問題の解決を引き受けるが・・・。この惑星とのエピソードは1巻と2巻で3話分も楽しめる。

 そのほか20本の触手を持つ巨大な海洋モンスターの登場する海洋惑星の話など、いずれもお奨め! 特に猫好きの方向け。

 

海を見る人
海を見る人
早川書房
price : ¥735
release : 2005/05/25

SFが苦手な人でも楽しめる

SFの短編集、ということで各話は短いので、SFでありながら最初に世界の設定を提示するのではなく、話の最後にそれを明かす、という構成をしている話が多く、ある種のミステリ的な要素も持ち合わせています。
また、世界の設定は確かにSFですが、「時計の中のレンズ」「海を見る人」など、SFとしての世界の設定なしでもファンタジー作品として楽しめる作品もあります。
そういった点で、SFはちょっと苦手、という方でも楽しめる本だと思います。
もちろん、世界の設定はかっちりとしてるので、SF好きはもちろん楽しめるでしょう。

魅せる本、という印象が強いです。

天狗風―霊験お初捕物控〈2〉
天狗風―霊験お初捕物控〈2〉
講談社
price : ¥820
release : 2001/09

おもしろかったです!

「震える岩」に続く 霊験お初捕物控 第2弾。
内容はとてもおもしろかったんですが、私は宮部みゆきさんの本だからといって「震える岩」と「天狗風」を買ったので時代物は初めて読みました。しかも長編なので読むのにかなり時間を費やしました。
さすが宮部さんで人物描写はすばらしく、細やかに設定されていてどのキャラも魅力あります。
事件は暗く、人間の闇に触れているのに心温まるお話に仕上がってます。ラストは不覚にも涙がポロポロ出てしまいました。
お初ちゃんと右京之介様のその後も気なるし、お初シリーズなら、次回作も買おうと思っています。
放浪の戦士〈1〉―デルフィニア戦記 第1部
放浪の戦士〈1〉―デルフィニア戦記 第1部
中央公論新社
price : ¥680
release : 2003/01

小説家としての基礎能力

どちらかといえば一部全四巻の感想になります。
北上次郎が解説で絶賛していたのを信用して読み進めたのだが、正直言って期待はずれ。欠点としては、1.リィが強すぎて全くピンチにならないこと、2.敵が小物すぎて全く魅力がないこと、3.登場人物の姿かたちや衣食住などに関する描写がほとんどないこと、などが挙げられる。

1と2は今後に期待できるかもしれないが、3にいたっては致命的。ノベルズ版にはイラストが掲載されていたそうだから、それに頼りっきりで、小説としての描写を疎かにしたのではなかろうか。北上次郎の引き合いに出していた「十二国記」と比較してみると、哀れなほどに小説家としての基礎能力の差を感じてしまう。

白鳥異伝 下
白鳥異伝 下
徳間書店
price : ¥900
release : 2005/10/21

小さい頃には気付かなかった

個人的には、勾玉3部作の中では一番「好き」という気持ちが素直に出ている作品だなと思っています。側にいるだけじゃいや→キスしたい→朝までいっしょにいたい、っていうのがすごく他の作品に比べるとはっきり表現されていますよね(うまく表現できないんですが、決して否定的なことではないです)この作品を一番最初に読んだ頃は、あまりにも遠子と小具那が子供っぽいような気がするので、他の2作のお姫様のほうが憧れだったのですが、今なら、遠子のほうが好感が持てます。それに、親との関係に苦しむ小具那の気持ちも、小さい頃は「マザコン!」って切り捨てていましたが、大人の今になって、何だか分かるな〜という気がするんです。何度読み返してもいいシリーズですね。文庫化万歳!
グロテスク
グロテスク
文藝春秋
price : ¥2,000
release : 2003/06/27

【商品詳細】

『OUT』 『柔らかな頬』など、単なるミステリーにとどまらない作品を生み出してきた桐野夏生が、現実に起きた事件をモチーフに新たな犯罪小説を書き上げた。自身をして「その2作を超えて、別のステージに行ったかな」と言わしめた作品だ。 主人公の「わたし」には、自分と似ても似つかない絶世の美女の妹ユリコがいた。「わたし」は幼いころからそんな妹を激しく憎み、彼女から離れるために名門校のQ女子高に入学する。そこは一部のエリートが支配する階級社会だった。ふとしたことで、「わたし」は佐藤和恵と知り合う。彼女はエリートたちに認められようと滑稽なまでに孤軍奮闘していた。やがて、同じ学校にユリコが転校してくる。 エリート社会に何とか食い込もうとする和恵、その美貌とエロスゆえに男性遍歴を重ねるユリコ、そしてだれからも距離を置き自分だけの世界に引きこもる主人公。彼らが卒業して20年後、ユリコと和恵は渋谷で、娼婦として殺されるのだった。 いったいなぜ、ふたりは娼婦となり、最後は見るも無残な姿で殺されたのか。そこに至るまでの彼女たちの人生について、「わたし」は訳知り顔で批判を込めて語っていく。しかし、ユリコと和恵の日記や、ふたりを殺害した犯人とされる中国人チャンの手記が発見されるに従い、主人公が本当に真実を語っているのか怪しくなってくる。つまり「わたし」は「信用できない語り手」だということが明らかになってくるのだ。その主人公に比べ、日記であらわになるユリコと和恵の生き様は、徹底的に激しくそして自堕落である。グロテスクを通り越して、一種の聖性さえ帯びている。 読み手は何が真実か分からなくなるかもしれない。しかし読み終わったとき、この物語に不思議な重層性を感じるだろう。(文月 達)

グロテスクなグロテスク

 この事件については「東電OL殺人事件」というタイトルで既に佐野眞一氏がルポとしてぶあつーい1冊にまとめてられている。ぶあつーいけど、あっと言う間。昼間は東電の総合職エリートとして働くOLが、夜な夜な渋谷で雨の日も風の日もフッカーとして立ち続け、殺された。捕まったネパール人男性は無実を訴え続けているにも関わらず、最高裁で有罪が確定している。
 全ては闇の中であるこの事件。それ故に、今回は小説として死人を蘇らせ、殺された2人のフッカーを取り巻く人間達の告白という形で話は進む。
 が、内容はイマイチ。佐野氏の「東電OL殺人事件」とは比較にならない。佐野氏は全裁判を傍聴し、警察の矛盾を暴き、ネパールまで行っていた。緻密に足でリサーチし、圧倒的な迫力があった。

 作り物はやはり事実を超えられないのか。その他、小説に散りばめられたエピソードはどこかで聞いたような話。有吉佐和子の小説「非色」に描かれていたような出来がフツーな姉の美貌の妹に対する激しい嫉妬心。田口ランディの小説「コンセント」に描かれていたセックス神話、依存。(この小説もこの事件をコンセプトに書かれたのでしょう)それから、地下鉄サリン事件。
 
 ↑という感想を持った自分に愕然とした。事実は小説より奇なりとはこのことで、毎日のニュースで流される事件に目新しさはUPDATEされ、数年前に度肝を抜かされたこの事件ぐらいではもはや驚かなくなっていた自分に。

 それでも最後まで一気に読んだ理由は、登場人物達の病んだココロの闇っぷり。佐野氏がこの事件を外側から描いているとしたら、ここでは内側から描かれている。タイトルがグロテスクなのは、この事件が持っていた奇抜さではなく、心の中のグロテスクさ。それは誰もが持っているものなのだろう。

魔羅節
魔羅節
新潮社
price : ¥420
release : 2004/07

TOO

「ぼっけえ、きょうてえ」のエグさと生っぽさと美しさが気に入ってこの本を手に取った。

これはやりすぎだ。

哀しみの終着駅―怪異名所巡り〈3〉
哀しみの終着駅―怪異名所巡り〈3〉
集英社
price : ¥1,155
release : 2006/02

エンディミオン〈下〉
エンディミオン〈下〉
早川書房
price : ¥924
release : 2002/02

君も遙かなる巡礼の旅に出よう

いやはやなんとも、すごいのだ。これはシリーズの三作目で、同量の活字で「ハイペリオン」「ハイペリオンの没落」の二作品が出ている。もちろんすでに読んでいる。もちろんすでに魂消(たまぎ)た。「ハイペリオン」で広げに広げたふろしきを「ハイペリオンの没落」の中に見事に収斂させた筆力ただ者ではない。切子面、シュライク、時間の墓標、テクノコアなどなどSF心をくすぐる仕掛けも盛りだくさん。詩に込められた秘密、タイムトラベル、冒険譚、恋愛物語、戦闘シーンとあらゆるものをちゃんぷるーしておきながらゴーヤーはちゃんと苦いという(変なたとえだけど)一本芯の通ったSFなのだなあ。主人公の個性がちょっと弱いかなと思うが、四作目に期待してダン・シモンズ、許してあげましょう。ま、ぼくが許さなくてもまったく影響ないけどね。
上と外〈6〉みんなの国
上と外〈6〉みんなの国
幻冬舎
price : ¥480
release : 2001/08

あっさりとしすぎた終わりかた。

<素晴らしき休日>から一気に読みました。ページをめくる手が本当に止まらなかった。お話が広がりすぎてしまったので、6冊でどう終わるのかなぁ?と思いながら読んでいたのですが、終わりは、かなりあっさりとして少し味気がなかったです。特に家族の再会シーンをものすごく楽しみにしていた私にとっては、そのシーンがかかれていなかったので物足りない思いもしました。
心の宝箱にしまう15のファンタジー
心の宝箱にしまう15のファンタジー
竹書房
price : ¥1,680
release : 2006/02

竜の柩〈4〉約束の地編
竜の柩〈4〉約束の地編
祥伝社
price : ¥600
release : 1997/09

覘き小平次
覘き小平次
中央公論新社
price : ¥1,050
release : 2005/02

ぞくり・・・

〜幽霊役者小平治、生きた人間なのか、はたまた本当に幽霊なのか?
小平治は押し入れの中から、ただ世界を見つめている。
本人は何も思わず、感じず、ただそこにある、ただそれだけなのに、周りの人間から忌み嫌われ、罵られ、それでも全く変わらない、その事が周りの人間をどんどん闇に引きずりこんで行く魔力を放ってしまう。
妻も友人もそんな小平治を嫌〜〜い、気味が悪くて仕方ない、しかし離れる事ができず、もがきながら小平治のそばで生きていくしか方法がない。
いったい小平治の何がそうさせるのか?
本当に恐いものとは、何なのか?
読みながら、ぞくり・・・としてしまいました。〜
共生惑星ソリス―デュマレスト・サーガ〈4〉
共生惑星ソリス―デュマレスト・サーガ〈4〉
東京創元社
price : ¥550
release : 2006/05

ソフィーの世界―哲学者からの不思議な手紙
ソフィーの世界―哲学者からの不思議な手紙
日本放送出版協会
price : ¥2,548
release : 1995/06

【商品詳細】

世界の人々を魅了した、ノルウェー発の不思議な哲学ファンタジーである。「一番やさしい哲学の本」として記録的なロングセラー小説となり、映画化もされた。主人公はごく普通の14歳の少女ソフィー。「あなたはだれ?」とたった1行だけ書かれた差出人不明の手紙を受け取った日から、彼女の周囲ではミステリアスな出来事が起こっていく。「世界はどこから来た?」「私は一体何者?」これまで当たり前と思っていたことが、次々と問いとして突きつけられる。そしてソフィーはこれらの謎と懸命に向き合っていくのだ。 著者のゴルデルは1952年生まれ。ノルウェーのベルゲンという美しい港町の高校で11年間哲学の教師をした後、首都オスロで作家生活に入り、『鏡の中、神秘の国へ』『カエルの城』など、児童・青少年向けの作品を発表し続けている。また翻訳は気鋭のドイツ文学者の池田香代子が担当、哲学者の須田朗が監修するという本格的なつくりも、本書が好評を博した1つの理由であろう。 本書のもう1つの特色は、「哲学史の宝石箱」であること。ソクラテスやアリストテレス、デカルトやカント、ヘーゲルなど、古代ギリシャから近代哲学にいたる西洋の主要な哲学者の大半が登場する。読者をファンタジックな世界へ誘いながら、ソフィーと一緒に彼らの概念をやさしく生き生きと読み解いていく手法は秀逸である。哲学というこの世界じゅうの物事の根源、存在の意味の解明をおもしろく描き、おとぎ話と融合させた作者の功績はとてつもなく大きい。(田島 薫)

大切な本

就職して数年がたち、「仕事に全力を尽くすのはよいが、このままでは死ぬ時に後悔しないだろうか?」「人間とは、人生とはいったいなんなのだろう?」と真剣に悩み、考えていました。その答えを哲学に求め、その一歩目として手に取ったのがこの本でした。過去の哲学者の考えを広く浅くわかり易く取り上げてあります。現在の社会に過去の哲学者の考えをそのまま当てはめる事はできませんが、過去の人達も現在の私と同じような事に悩んでいた事を知り、またその人々が考え抜いて出したひとつの答えを知る事ができます。私の場合、この本をきっかけとして哲学を学び、その答えと現在の社会・自分の環境・培ってきた知識が一つになり、昇華し、自分の人生観、哲学観が生まれてきました。ただの一冊の哲学入門書ですが、私にとっては自分の人生の中での大きなきっかけとなった大切な本です。
パーフェクト・ブルー
パーフェクト・ブルー
東京創元社
price : ¥680
release : 1992/12

宮部さんの初めての長編小説!

犬のマサの目を通して話が進んで行く点が、とても面白い。全体的にテンポがよく、話の進み方が心地よい。一つ一つベールを剥ぐように真実に近づいていくその過程が、とてもよく描かれていると思う。登場人物もそれぞれが個性的で、とてもよい味が出ている。事件自体は残酷なものだったが、結末は期待を裏切らないものだった。宮部みゆきさんの初めての長編小説だそうだが、彼女の豊かな才能がいかんなく発揮された作品だった。
信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス
信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス
新潮社
price : ¥620
release : 2002/09

Welcom to back大袈裟・大風呂敷・妄想

 信長記(俗)などに由来するとっくの昔に否定されているような俗説、
伝説を確信犯的に使い倒しています。
 信長と古代シリアの狂帝ヘリオガバルスを初めて結びつけたのは澁澤龍彦
ですが、登場人物の名前や設定、逸話の端々に澁澤へのオマージュが
ちりばめられています。
 妄想が暴走しているので、まじめな時代小説ファンなんかは受け付けない
かもしれませんが、しかし多分、作者には初めから狭義の“時代小説”
なんてつもりは微塵も無かったんじゃないでしょうか。
 これはファンタジーだ。そのつもりで読むことをお勧めします。
 
第六大陸〈1〉
第六大陸〈1〉
早川書房
price : ¥714
release : 2003/06

竣工開始

 煽り文というか紹介文が、これほど似合う作品も珍しい。既に引き合いに出した人が居るが、確かにこれはSF版プロジェクトXというのが相応しいと思う。また小川氏には珍しく、人間社会の暗部である妬みや嫉みが、最もらしい理屈をもって挑戦者に立ちはだかる描写も優れている。それに対する解決法は、例によって人間に対するポシティブな小川氏だが。作家によっては、ネガティブ・キャンペーン合戦や印象操作など、もっと厭らしく書き込む事も出来ただろうが、その分多分感動は薄れただろう。
 建造費に対する試算がやや甘いとの話も聞いた事があるが、少なくとも全否定出来る程のものでは無いらしい。実際に自立型ロボットを使った、コンクリート・ブロックによる月面建築は十年以上昔から(それも日本で)提案されており、流石は調査・取材に定評のある小川氏だ。
 私自身は導きの星で小川氏を知った口で、氏の斬新な切り口を賞賛して止まないが、この作品は実現性と手堅く纏まった内容とで小川一水を代表する作品だと考える。最後のドンデン返しもやり過ぎてはいないし、続編を想像してみるのも楽しいかも知れない。
 小川一水を未読の人は、この作品から入るのがお奨め。
雪下に咲いた日輪と
雪下に咲いた日輪と
講談社
price : ¥945
release : 2005/03/08

薬屋ファンタジー第12弾...

断崖絶壁に建つ洋館に、大声で泣き叫ぶ妖怪バンシー。
今回の依頼人&小動物(?)が可愛い1冊。事件は起きますが…。
物語の最後でまたシリーズ全体の謎を残して、そこがまた良いです。
ヤングガン・カルナバル
ヤングガン・カルナバル
徳間書店
price : ¥860
release : 2005/06

AGCからYGC!

アフリカンゲームカートリッジズ(AGC)から
ヤングガン・カルナバル(YGC)へGCつながり。
AGCで ブレイクすると思っていましたが なぜか2も出ない?
そこへ YGC!押井守監督の帯にも「待ちに待った本物のアクション作家が誕生」と!まさに アクション作家です。切れ味の良さ 文章のテンポの良さ スピード感! 読後は気分爽快になります。とびきりの お薦め品です! 
美しき凶器
美しき凶器
光文社
price : ¥600
release : 1997/03

駄作

東野圭吾が作り出す世界に駄作はない。
ミステリーの中に深遠なるテーマを潜ませて物語を紡ぎ出す。
仔細な取材を基にしているだろうが、独りよがりの叙述や説明口調など存在しない。
作者の人間性をベースに三人称を用いて主観的表現をする。
「読者」という抽象的な存在ではなく、「あなた」という唯一の人間に語ってくれる。

現時点でベストの作家だと思う。

しかし、この作品を敢えて駄作といいたい。
東野圭吾が書いたと思いたくない。
随所に魅力があるものの、全体としての感想は「がっかりした」という一言に尽きる。
(東野作品の星1つは、他の作家の星3つと思っていただきたいです)

東野作品には、他にも多数の、本当に多数の惚れ惚れする作品がある。

他の作品を読む前に、!敢えてこの作品を手にする必要はない。
全てを読み終えた後に本書を読んでください。

「あなた」が私と異なる感想を持つことを期待します。

ライオンハート
ライオンハート
新潮社
price : ¥660
release : 2004/01

幸福と悲しみ、その最後に待つものは…

 輪廻転生を繰り返して、一瞬の逢瀬の為に一生を犠牲にするエドワードとエリザベス。
 そんな恋人よりも深い愛情で結びつけられた2人が出会った時、人生最大の幸福が訪れ、その直後に最大の悲しみ〜別れ〜が襲来する。

 なんともファンタジーな恋愛物語だが、胸の奥には切なさが残る。
 最愛の人とは結ばれない運命なのか、と。

 しかしそこは恩田陸。最後にはとてつもない、鳥肌が立つような「からくり」で、読者をクライマックスに連れて行ってくれる。

スイート・リトル・ベイビー
スイート・リトル・ベイビー
角川書店
price : ¥560
release : 1999/12

ナイスホラー大賞

 児童虐待をテーマにしたリアルなホラー。話の運びも悪くないし、身に迫っていくような怖さがある。
 ただ登場人物がちょっと多いし、オチが弱かったのが弱点かなぁと。
白鳥異伝 上
白鳥異伝 上
徳間書店
price : ¥900
release : 2005/10/21

堪忍箱
堪忍箱
新潮社
price : ¥500
release : 2001/10

貧乏長屋の江戸情話

 ちょっと怖くていやな後味を残す「かどわかし」「堪忍箱」。逆に市井の訳あり浪人が鮮やかな手際で問題を解決し、さわやかな後味の「敵待ち」。プラトニックな想いが、よどんだ深みでキラッと光る「砂村新田」。
 さまざまな貧乏長屋の暮らしを足がかりに、江戸をこよなく愛する宮部さんの、お得意8編の人情小噺。「十六夜髑髏」は、省略が多くて謎が残る。でもまあ人生、江戸の昔から謎ばっかりでさぁね。
レタス・フライ
レタス・フライ
講談社
price : ¥924
release : 2006/01/11

水の眠り 灰の夢
水の眠り 灰の夢
文藝春秋
price : ¥660
release : 1998/10

シリーズ番外編だが独立した作品としても読める

著者の「ミロシリーズ」にたびたび登場する、ミロの父親「村善」こと村野善三を主人公にした作品である。
物語は吉永小百合への脅迫事件などで世間を騒がせた草加次郎の事件をモチーフとするだけでなく、アイビールック全盛だったこのころの風俗も取り入れ、高度経済成長真っ只中だったこの頃の日本の姿を描き出している。
この作品は大別して2つの側面を持つ。ひとつは新聞記者として草加次郎を追い詰めることであり、もうひとつは読者が村善が探偵業へ至る過程を知ることである。
そのため、極上のサスペンス作品に仕上げられているし、村善のヒューマンドラマとしても成り立っている。
構成もしっかりしていて、安定感すら覚える。
余談として、ミロの出生について描かれているのも、ファン泣かせである。
女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN
女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN
新潮社
price : ¥820
release : 2004/01

いままでとは違う・・・・

私は、泣きました。とても寂しくなりました。
百年もの密室です、百年ですよ・・・・。

シリーズものとはまた違う意味で、森博嗣さんらしいのだと思わせる、
SF的ミステリー小説でした。、

黄泉がえり
黄泉がえり
新潮社
price : ¥660
release : 2002/11

一気に読み通し、そして素直に泣けました

映画の評判がよく、歌もよかったので、原作を読んでみようと購入しました。待ち時間などの暇つぶしに読むつもりだったのが、寝る間を惜しんで一気に読みきってしまいました。そして自然に流れる涙。いいお話でした。読み進むうちに映画とは人物設定が随分違う事に気づき、本がよかったので映画を見る意欲はかなり失せました。映画をご覧になった方もそうでない方も、この原作は一読の価値があるかと思います。
タフの方舟 2天の果実
タフの方舟 2天の果実
早川書房
price : ¥735
release : 2005/05/25

「宇宙一あこぎな商人」にぞっこんです

あの名作「サンドキングス」のジョージ・R・R・マーティンの連作集が出ていると知って、1冊目、2冊目と早速手に入れ、夢中で読み終わりました。「宇宙一あこぎな商人」とありますが、ほんとはね、そうじゃないんです。強大なパワーを持つ方舟の支配者である彼の視点は、限りなく神に近いのかもしれません。最終話「天の果実」には、単なるエンターテイメント以上の手ごたえがあります。いやー、堪能しました!
ラヴクラフト全集〈5〉
ラヴクラフト全集〈5〉
東京創元社
price : ¥672
release : 1987/07

クトゥルー神話の源流

映画やゲームなど各業界に影響を与え続けているクトゥルー神話の源流はこの全集にある。そのなかでもバラエティ豊かな作品が収まっているのがこの一冊。
洋書において最大のキーポイントとなる翻訳は、もちろん大滝啓裕氏だから安心して読むことができます。
新リア王 上
新リア王 上
新潮社
price : ¥1,995
release : 2005/10/26

バルタザールの遍歴
バルタザールの遍歴
文藝春秋
price : ¥630
release : 2001/06

大人のためのエンターテイメント

ファンタジーという枠組みで捉えて甘くみると大やけどする、見事なまでに完璧な小説です。趣向でいえば、憂鬱といえば「甘美なる」と形容したくなる、没落貴族、ハプスブルグ家と聞くとついうっとりしてしまうといった類の人向け、でしょうか。

ストーリーだけでも十分魅力的ですが、歴史的背景が驚く程しっかり描かれています。ある程度の年齢に達し知識(専門的というわけでなくあくまで常識程度の)身につけてしまうと、わざわざ「現在の日本」以外を舞台に設定しておいて俄仕込みのいいかげんなリサーチを元に書いたような小説には、陳腐さを感じて興ざめしてしまいますが、この本は十分なリアルさを感じられます。かといって、ストーリーの運びを邪魔するようなまどろっこしい歴史の説明がある訳ではありません。簡潔な文と勢いある運びでぐんぐん作品世界にハマれます。

大人が、物足りなさを感じたり白けたりすることなく、心から楽しめる読みごたえある一冊だと思います。

作風を他の日本人作家で例えることは難しいですが、川上弘美あたりとはかなり対極なのは確実かな。
漢字が多いとダメ、外国文学アレルギーだ、という人には少しつらいかもしれません。

エンド・ゲーム―常野物語
エンド・ゲーム―常野物語
集英社
price : ¥1,575
release : 2005/12

封印再度―WHO INSIDE
封印再度―WHO INSIDE
講談社
price : ¥820
release : 2000/03

ホントはこれが最終作でした

S&Mシリーズの5作目。元々はこのシリーズは5部作として構想されたものなので、本来はこれが最終作だったことになります。犀川と萌絵の関係に変化が生じるあたりに、最終作として構想された頃の名残があるのでしょう。また、これまでは全て学術関係者の間に起きる事件だったのに対し、本作は芸術家一家に起きる事件で、“文系ミステリ(?)”に進出しようとしてるのかなという気もします。

この作品はタイトルが面白いです。森博嗣のたいていの作品には日本語のタイトルとは別に英語のタイトルが付いていて、本作の英語タイトルは“Who Inside”です。日本語タイトルと読み方が同じで洒落になっているのです。しかし、両者の意味は異なるものです。日本語タイトルは“もう一度封印する”という意味であり、英語タイトルは“中に誰がいるのか”という意味です。この2種類の言葉が本作の2種類の謎解きにそれぞれ対応しているわけです。これまでの作品では日英併記のタイトルに大した意義を感じませんでしたが、本作ではその意義は大きいと感じました。

ローズガーデン
ローズガーデン
講談社
price : ¥540
release : 2003/06

種をまく

 村野ミロシリーズ「顔に降りかかる雨」「天使に見捨てられた夜」と、「ダーク」の間をつなぐような内容の4つの短編が収録されています。 つなぐようなといいましたが、これは話し自体がつながる(同シリーズなのでつながるのは当たり前ですが)とは違い、前2作のハードボイルドぽっい内容と違い、「ダーク」から妖しげでおぞましいくも人間というものを描き始めた桐野さんの世界への変遷をうかがうことが出来るような内容になっていると思います。まさに今後の桐野さんの創作活動の種をまいたような短編集。現在「ローズガーデン」は妖しい花が咲き乱れています。
十字屋敷のピエロ
十字屋敷のピエロ
講談社
price : ¥580
release : 1992/02

ピエロがいい味だしてる☆

ある屋敷で殺人が起こっていくのだけれど、殺人現場には必ずピエロの人形がおいてあるっとい話。
殺害シーンはピエロの目線から見た風景で描かれているのがとてもヨイ☆
東野圭吾さんらしい話でとてもよかった!!さくっと読めておもしろい♪
ダイスをころがせ!〈上〉
ダイスをころがせ!〈上〉
新潮社
price : ¥620
release : 2005/04

面白い!

この本は会社を辞め、妻子とは別居している主人公が高校時代のライバルに請われ、彼の出馬を助ける秘書となって様々な問題に立ち向かう小説です。気持ちがいいのは、お金やコネを一切使わず、理想のみを掲げて選挙を戦う姿勢です。この姿勢は現在の政治に嫌気がさしている人にも共感できるところだと思います。敵陣営に色々邪魔されながらも頑張っていく姿勢には共感できます。あっという間に読み終えてしまいました。お勧めです。
分冊文庫版 絡新婦の理〈1〉
分冊文庫版 絡新婦の理〈1〉
講談社
price : ¥600
release : 2006/01

分冊文庫版 絡新婦の理〈2〉
分冊文庫版 絡新婦の理〈2〉
講談社
price : ¥600
release : 2006/01

機動戦士ガンダム外伝―THE BLUE DESTINY 講談社文庫
機動戦士ガンダム外伝―THE BLUE DESTINY 講談社文庫
講談社
price : ¥790
release : 2002/10

メカ描写は特筆物です!

「逆襲のシャア」のラストで、吹き飛ばされそうなギラ・ドーガをジェガンで助けていたのは、この作品の主人公だったんですね。
そんな彼の1年戦争時の体験が描かれているのですが・・・
戦闘シーンとか、メカの描写は大変燃えました!男の心が熱いです!
しかし、人物描写が・・・私が富野監督の作品を読みすぎているのか、この作品では、とっても薄っぺらな感じがします、特に恋愛に関しての描写が余りにもご都合的に進みすぎている感が大変気になりました。
地下街の雨
地下街の雨
集英社
price : ¥540
release : 1998/10

宮部入門作には丁度良い作品では?

偶然手にした1冊でしたが、
どの作品もジャンルが少し違った充分楽しめる作品です。
最後の室井女優の文書も興味深かったです。

この作家長編はまだ読んでないのですが、この短編を読む限り、文書
力の高さが伺えるようです。


最近いろんな作家の文書を読んでいるので、やはり相対的に見ても

宮部氏はうまく、自然と引き込まれるような作品作りができる作家
だと感心しました。

あと2・3冊短編を読んでから、この作家の長編を読みたいです。
宮部入門作としてはお勧めだと思います。

蘆屋家の崩壊
蘆屋家の崩壊
集英社
price : ¥560
release : 2002/03

面白い!

 重苦しいようで軽い文章の中にとぼけた味わいがあってまずそれが魅力。
 内容はホラー。一見リアルっぽい描写なのに、何気に非現実的要素をたくみに取り寄せている。
 感心したのは、現実と非現実とのバランスの取り方がめちゃくしゃ上手いこと。リアルの中にありえないだろ、と思われる話が入ってくるんだけど、これが全然違和感がなくて素直に引き込まれていく。
 キャラクタ造形も抜群である。蟹の話が個人的に馬鹿馬鹿しくて好き
 
空の中
空の中
メディアワークス
price : ¥1,680
release : 2004/10/30

新ジャンル登場

 出だしのスピード感からしてウルトラQを思わされる。突然起きる不測の事故。そこに潜むなぞを、執念で追う第一発見者。一見関係なさそうな田舎町の暮らしに、事件の鍵が落ちる。親子の情愛が絡み、軽妙で洒脱な会話が織り込まれる。
 初期のウルトラシリーズ、特に正義のヒーローが出てこないウルトラQの空気に非常に似ている。空を飛ぶメカニズムが少々乱暴だが、全体としてとても楽しい。鉄人を操る正太郎くんのような感覚も味わえる。
 今までなかったタイプのエンターテイメントではないだろうか。
逆転世界
逆転世界
東京創元社
price : ¥987
release : 1996/05

サンリオSF文庫の傑作

今はなくなったサンリオSF文庫の傑作でした。表紙のイラストも素晴らしく、プリーストの世界がこの本に集約されていると言っても過言ではありません。奇抜な発想の元で展開される世界ですが、映像化されるとみんなの度肝を抜くものになるはずです。今では隠れた名作になっていますが、もっともっとみんなに読んで欲しい作品の一つです。
ドラゴンラージャ〈2〉陰謀
ドラゴンラージャ〈2〉陰謀
岩崎書店
price : ¥998
release : 2005/11

言の葉の樹
言の葉の樹
早川書房
price : ¥735
release : 2002/06

なにかが足りない…

ハイニッシュ・ユニバースの作品が5年ぶりに翻訳されました。2000年から2001年は、ル=グウィンがわたしたちになじみ深い世界を舞台にした新しい物語を次々に発表した年で、翻訳を待ちかねていたファンも多いでしょう。わたしもその一人です。でもなぜこれが先に…?
ハイニッシュ・ユニバースのシリーズならば、"The Telling"より"Four Ways to Forgiveness"の方が何年も先に発行されており、評価もこちらの方がおおむね高いという印象だったのですが…。

そして実際に読んでみて、何かが足りないという弱さを感じました。翻訳を通してもル=グウィン独特の美しい明晰な文章は健在なのですが、初々しい『ロカノンの世界』、脂ののってきた『幻影の都市』『世界の合い言葉は森』『辺境の惑星』、そして傑作『闇の左手』『所有せざる人々』は今読むと時代の制約は感じるものの、それでも深い感動を覚えます。これらの作品群に互する何かが足りない気がします。
まだ翻訳されていない作品がいくつもあります。ル=グウィンの実力はこんなものではないと思うので、他の作品に期待したいと思います。

スター・ウォーズ悪の迷宮〈下巻〉
スター・ウォーズ悪の迷宮〈下巻〉
ソニーマガジンズ
price : ¥830
release : 2005/06

なかなか良いですよ

小説で展開されている、スターウォーズは映画とは別物と感じてしまう事が今まで多々あったのですが、このお話の直後からエピソード3が始まり、この小説での設定も映画に無理なくつながっていて、すごく感情移入しやすかったです。マスターサイフォディアスの謎やなんといってもグリーバスがなんでああなのかと、とても理解しやすくなり、エピ3がより深く楽しめました。これを機会に小説もさかのぼってまた読みはじめています。小説スターウォーズ二の足を踏んでた方も、この本から始めてみたらいかがでしょうか?きっと楽しめるとおもいます。しかしパルパティーン恐るべし!
バイオハザード〈1〉アンブレラの陰謀
バイオハザード〈1〉アンブレラの陰謀
中央公論新社
price : ¥998
release : 2004/07

バイオファンにはおススメ!

バイオ1をやった事のある方なら是非おススメの小説。

PSのバイオ1の物語を忠実に再現しているところに加え、各登場人物のプライベートなところの描写、トレントというスターズに手を貸す謎の人物。
それらの付け加えがまた面さを助長する。

とにかくおススメ。

李歐
李歐
講談社
price : ¥750
release : 1999/02

読者までもが約束の地を目指す。

先に「李歐」を、後に「わが手に拳銃を」を読みました。死ぬ人間、物語の大筋、のみならず李歐、一彰の性格もだいぶ変わっています。読み比べてみるのも面白いかと。

李歐→「わが手に〜」より大人でやり手。茶目っ気たっぷりな部分は残してますがよりスケールの大きい人間に。でも大風呂敷、有言実行は変わらず。

一彰→「わが手に〜」より思い悩む性格。「くどい」といわれてしまっている心理描写ですが、そこが返って彼の人間らしさをかもし出しているようで下敷きとなった作品より共感を得る事が出来ました。李歐に対する、友情・愛情を超越した感情もよく書ききれている。

若き日の別れの日より15年、この歳月が読者にとっても苦しくてもどかしい。一彰とシンクロして李歐の事を案じたり、忘れようとしたり、様々なジレンマに読んでる最中苛まれることでしょう。でも、最後まで読みつづけてしまっているのは、読者が李歐と一彰に惚れてる証拠。(笑)

桜の圧倒的な美しさと、拳銃・機械工場の無骨さ、この対比の存在感が大きい。ラスト、二人の「約束の地」に行き着くことが出来るのか・・・最後までページを捲る指から力が抜けない展開です。荒削りだがパワーがあった前作よりも、静かだがそれでいて説得力のある完成度の高い作品です。甲乙つけ難し。

高村さんらしくない、と言うご意見もお有りでしょうがこういう終わり方好きです。読み終わった後、一つの旅が終わった後のように寂しく、登場人物達との別れが哀しい。そこまで感じさせる文章を書く作家はそうはいないかと。

この一冊の夢物語・桜にあてられた陶酔に★5つを捧げます。

出来れば、下敷きになった作品も読んでみてください。ちなみに私はどちらも気に入りました。

幻色江戸ごよみ
幻色江戸ごよみ
新潮社
price : ¥580
release : 1998/08

恐ろしく美しい

江戸町人の暮らしぶり、場面場面の情景。眩しく鈍く、私の思想の中にすうっと入ってきた。心地好かった。
それらは、とても魅了的で、周囲の雑音も耳に入らない程、ひたすら本の中に広がる世界に溺れた。

文字の運び方は、やはり「流石」というふうに、圧巻だった。
どことない世界感が在り、読んでいる間中、私の表情にも無意識な変化があったような気がする。

何度でも何度でも、繰り返し読みたくなるような、そんな作品だった。

「超」怖い話Δ(デルタ)
「超」怖い話Δ(デルタ)
竹書房
price : ¥580
release : 2004/07

2004年・夏の本命、降臨。

夏になるとどこの書店でもホラー特集を組む。
コンビニの書棚も怪奇モノで溢れかえっている。
友人知人も怖い話を囁きあっては震えている。

そう、夏は怪談の季節なのである。

そんな中シリーズ通算15冊目の「超」怖い話Δ(デルタ)が刊行。
待った甲斐があるものに仕上がっている。
一言で言うなら「この夏、最怖の実話怪談本」だろう。
タブーとも言える「祟り・呪系」の話や少しいい話、不思議な話が
ぎっちりと詰まっているのだから。
まだ「超」怖い話に触れたことのないあなたにもお勧めしたい文庫である。

そして、前作を読んだ方にもお勧めしておきたい。
何故なら、今回は前作を上回る恐怖を感じることが出来るものに
なっているからだ。ぬるい恐怖が要らない方は迷うことなく
読んで欲しい。

巷で「ヤバイ」と噂の「超」怖い話Δ。
どこがどうヤバイのかは、あなた自身が確かめよう。

夜啼きの森
夜啼きの森
角川書店
price : ¥540
release : 2004/05

独特の世界

かの有名な松本清張の「闇を駆ける猟銃」、そして筑波昭の「津山三十人殺し」に詳しい大事件をもとに、彼女独特の世界を繰り広げた作品。貧困と無知とそして閉鎖的な村の、インモラルでなおかつ「伝統的な」淫靡な日々。そこから生まれた「鬼の子」のたどらざるを得なかった道のりを、ネチネチとした岩井ならではの岡山弁でつづっている。
読むにつれ、不幸せな人々の、汚れた、それでいて必死な毎日が、読んでいるこちらにも重く澱のように積もってくる感じだ。最後の破綻は、この小説内ではそれほど詳細にふれていない。しかし、全て「清算」が済んで気持ちがよいような気にさえなった。
それにしても、作者の、この暗くて重くてネチネチした感じは貴重だとあらためて感じました。